母の日 その2
yubiwa

それから何日か後の夜、疲れ果てて風邪も引いて熱発。薬のせいで早めにバタンキューと寝てしまった夜中、ボソボソと男の声がして、やがて眠っている私の手を取り、さらにボソボソ言いながら私の薬指に指輪をはめている。
夫は絶対そんなことしない・・・と夢の中で思ったような、思わなかったような・・・。 誰?? でも起きられない。
やがて声の主がどうやら息子らしいと、もうろうとした意識の片隅で認識した。その途端またしても深い眠りに落ちていった。

翌朝、左手の薬指に太いチタンの指輪が嵌っているではないか!
「???」
なにせ記憶がないのでしばしボーゼンと指輪を見つめて固まっていた。

それは一番お金の無い息子からの、遅ればせながらの母の日のプレゼントだった。
肩もんでくれただけで十分だったのに・・・。優しさはうれしいけれど、少し切ないプレゼントだった。


  
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