信州の思い出 その2

「夕方の新幹線までにもう一つ別の温泉へ行こう!」
彼女がそういって2日目に連れて行ってくれたのは「びんぐしの湯 湯さん館」という温泉でした。千曲川に沿ってしばらく走り、途中からぐーんと山を登った高いところにあります。
真昼の露天風呂から眺めた雄大な景色といったら!! 青い空にぽっかり浮かんだ白い雲、遠く近く連なる山並みと、山すそに広がる街までも見渡せます。
あー、なんてすてきなんでしょ。雑誌に載ってるのみたい・・・。
異次元にワープしてるぞー、真昼の露天風呂だぞー。目をつぶってゆーったり、…、…。
ひゃっ! 一瞬、置いてきた仕事が頭を掠めた。こんないい時だっていうのにダメ、ダメよ。
ブルブルッと頭を振って、そんな無粋なもんは「お湯に流してしまえーっ」。
帰り道、室賀の里でたくさんの鯉のぼりが広い田んぼを横断するように泳いでいる景色。何かで見たことはあるけど実際に見るのはたぶんはじめて。私には何でも珍しいから、カメラ、カメラ…と。

写真を撮ろうとしていたら、手押し車をコトコト押してこちらへやってくる小さなおばあちゃん発見。
「こんにちは、お散歩ですか」
と声をかけると、道の真ん中で手押し車を器用に折り返して椅子にし、その上へちょこんと腰掛けてしまった。車が来ないことはおばあちゃんがよく知っているんでしょう。
「歩けなくなるから歩け!って医者に脅されてるんだぁ」
と、楽しそうに話す笑顔のかわいいおばあちゃんでした。
鯉のぼりをバックにしてあの笑顔を撮らせてもらえばよかった、と後から後悔。もっと写真を撮ることに慣れてくれば、こういう出会いのタイミングを逃さず、自分の中にシャッターチャンスをイメージできるようになるのかなぁ、なりたいな。

上田へ戻る途中、どうしても千曲川が見たくて、国道をわき道に入った川のほとりで車を停めてもらいました。
島崎藤村の「古城のほとり」に詠まれた千曲川。この詩を辿るようにして小諸の懐古園から千曲川のほとりを歩いたのは20代の半ば頃だった。千曲川は大好きな川です。
第一連だけ・・・。
小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ
緑なすはこべは萌えず 若草も藉くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡辺 日に溶けて淡雪流る

さてと、小さな旅の終わりです。明日からの覚悟を決めて、留守番組におみやげを買って、来たときと同じように列車を4本乗り換えて帰途に着きました。
K子さんとご主人のお心遣いに感謝です。ありがとうございました。
きのうアップした記事へ寄せてくださったあたたかいコメントの数々にも感謝です。ありがとうございました。
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追記:現地で買った山うどの、「ここらへんから切るんだよ」とご主人に教えていただいたように、葉っぱから付け根までを切って天ぷらにし、岩塩でいただきました。とってもいい香りでおいしかったです。重たいけどやっぱりもう一束買ってくればよかったー(>_<)。

